コンペ提案
『散る村に集まる』 ~散居村に集まって住む~

 

富山県砺波市の散居村には、1万軒に及ぶ屋敷林に囲まれた民家が、水田の間に小島が浮くような形で点在しています。

この屋敷には2つの『時』 が宿っていると考えます。
歴史のなかで形成されてきた様式・作法という文化的蓄積と、約100~200年という何代にも渡る時間の流れ、濃密な記憶・思いとしての 『時』 です。

 

しかし散居村の民家は、その多くが敷地約300坪、延床約100坪の大屋敷ゆえに、核家族化が進む今日、一家族で住み継ぐには構造的な行き詰まりを迎えており、想いに反して空き家化・消滅は進み、散居景観の重要な構成要素である屋敷林と共に、その持続のあり方が問われています。

2011.3.11に発生した震災・とりわけ原発事故においては、多くの人々がコミュニティ・ふるさとから離散を余儀なくされ、これまでの生活を失うと共に、これからの暮らし方そのものについても再考すべき局面に立たされていました。
“大屋敷” と “震災により移動する人々” を結び、「古き家を血縁・旧来の共同体のみでない小コミュニティで共有し、助け合って住む」という、離散した人々が再び集まり、一住居としての器を越えた住まい方を試みることで、「失った生活空間」と「空家化する大屋敷」の互いを再生する提案です。